日本生活習慣病予防協会
メタボでは塩分のとりすぎで高血圧になりやすい
2009.03.12
 メタボリックシンドロームのある人では塩分のとりすぎが高血圧につながる可能性があることが、中国北部で実施された臨床調査であきらかになった。

 中国のメタボリックシンドロームが該当する成人の数は約2300万人と推定されている。高血圧や糖尿病の増加も指摘されており、専門家らは「中国人は塩分をとりすぎている。減塩の食生活を啓発する必要がある」としている。この研究は英医学誌「The Lancet」3月7日号に掲載された。
メタボリックシンドロームのある患者は減塩が必要
 この食事介入研究は、糖尿病と診断されたことのない16歳以上の中国人約1900人余りを対象に、2003年から05年まで中国北部の田園地域で実施された。対象者に高ナトリウム食(17.2g/日)を7日間とってもらい、続く7日間は低ナトリウム食(2.9g/日、高ナトリウム食の7分の1)をとってもらった。ベースライン時、各介入の2日目、5日目、6日目、7日目に血圧を測定した。

 メタボリックシンドロームについては、腹部脂肪、高血圧、高トリグリセリド(中性脂肪)、低HDLコレステロール、高血糖のうち3項目以上が該当する場合に判定した。血圧の塩分に対する反応を示す塩分感受性については、動脈血圧が低塩分食で平均5mmHg以上の低下、高塩分食で平均5mmHg以上の増加を認めた場合に判定した。

 1881人のうちメタボリックシンドロームが該当したのは283人。低ナトリウム食、高ナトリウム食のどちらも、平均血圧変化量はメタボリックシンドロームが該当する人の方が、該当しない人より大きかった。塩分感受性についてもメタボリックシンドロームで高い比率が示された。

 メタボリックシンドロームの該当項目のない人に比べ、4〜5項目を重ねもつ人では、高塩分感受性が認められる比率が、低ナトリウム食の期間中で3.5倍、高ナトリウム食の期間中で3.1倍になった。

 調査を行った米Tulane大学医学部(ルイジアナ州)のJing Chen博士らは「メタボリックシンドロームのある患者では塩分摂取が高血圧に深く関わる。塩分摂取を減らすことが重要だ」と述べている。

 中国では過去30年間に高血圧が急増しており、都市や農村で塩分をとりすぎていることが要因として挙げられる。中国人の2002年の塩分摂取量は1日平均12gだったと報告されており、「中国では多量の塩分を摂取する食習慣がある。特に北部の農村地域で食品を保存するために多量の塩を使う習慣が現在も続けられている」という。

 過去に英国、日本、ニュージーランドなどで塩分摂取を抑えるキャンペーンが功を奏した例があり、中国でも減塩食を奨励する食事ガイドラインが出されているが、塩分摂取量は減少していないという。

Lancet, Volume 373, Issue 9666, 829-835, 2009

(TERA)  
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