日本生活習慣病予防協会
睡眠時無呼吸症で死亡リスクが1.5倍に 米国の最新調査
2009.08.28
 睡眠時に呼吸に障害が起こり体にさまざまな障害があらわれる「睡眠時無呼吸症」が死亡リスクを高めるという調査研究が米国で発表された。特に深刻なのは40歳〜70歳の男性で、死亡率は2倍になるという。
 研究者らは「睡眠時の呼吸障害は、心臓の心筋に十分な血液が供給されないために起こる冠動脈性心疾患の発症とも関連がある。適切な治療が必要だ」と指摘している。

 睡眠時無呼吸症は、睡眠時に気道がふさがり呼吸が止まったり、気道の空気の流れが悪くなり低呼吸になる病気。いびきをかく人に多くみられ、十分な睡眠がとれず日中の眠気が強くなるだけでなく、高血圧や心疾患、2型糖尿病などの病気を引き起こしたり、動脈硬化の促進にも影響があると考えられている。

 睡眠と心疾患の関連などを調査する目的で米国で実施されている大規模研究「Sleep Heart Health Study : SHHS」で、ジョン・ホプキンス大学の研究者らは、6400人以上の男女を対象に調査を行った。

40代〜70代男性で死亡率が最大で2倍に
 夜間の呼吸を評価するために、睡眠パターン、血中酸素濃度、無呼吸・低呼吸指数(AHI)をはかり、睡眠時に1時間当たりの血中の酸素飽和度が4%低下した場合を呼吸の停止(無呼吸)と定義した。

 平均8年間にわたり追跡調査を行い、年齢、性別、人種、喫煙習慣、体格指数(BMI)、治療状況などの影響を調整し解析した結果、深刻な睡眠時無呼吸症のある人では死亡率が46%も高くなることが分かった。40代〜70代の男性では特に深刻で、睡眠時無呼吸症のある人では同年代の健康な男性と比べ、最大で死亡率が約2倍になっていた。

 女性よりも男性で睡眠時の呼吸障害が冠動脈性心疾患による死亡につながりやすく、呼吸障害が軽度の人では死亡のリスクはそれほど高くならないことも分かった。調査対象となった男性のうち、睡眠時無呼吸症と判定されなかった人の割合は42.9%で、33.2%は軽症、15.7%は中程度の症状、8.2%は深刻な症状をもっていた。女性では約25%が軽症、8%が中程度、3%が深刻な症状だった。調査によると、中程度以下の症状の場合、死亡リスクは高まらないという。

 米国立心肺血液研究所(NHLBI)の推測では、睡眠時無呼吸症の有病数は米国の成人のうち約1200万人で、その半数以上が過体重とみられている。ほとんどの人は診断されず、治療を受けていない。

 睡眠時無呼吸症の治療としては、まず減量や喫煙、禁酒などの生活習慣の改善が有効で、さらに鼻に装着したマスクから空気を送りこみ圧力をかけ気道の空気の流れを確保するCPAP治療や、マウスピースを使う治療法、手術により狭くなった気道を広げる治療方法などがある。

Sleep-Disordered Breathing and Mortality: A Prospective Cohort Study(英文サマリー)

(TERA)  
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