日本生活習慣病予防協会
肺の生活習慣病「COPD」 放っておけない慢性疾患
2009.09.04
 「COPD(慢性閉塞性肺疾患)」は、気道(気管支)や肺(肺胞)などに障害が生じ、呼吸が困難になる病気。以前は肺気腫や慢性気管支炎と呼ばれていたが、喫煙習慣が主な原因となることから「肺の生活習慣病」ともいわれている。

 過去に行われた調査では、日本人のCOPD有病率は8.6%と推定され、40歳以上の8.6%(約530万人)、70歳以上では210万人がCOPDに罹患しているとみられる。

 COPDは徐々に進行する病気で、進行すると息切れから日常生活に支障をきたし、さらに進行すると入院加療を余儀なくされるまで重症化する。早期診断し適切に治療するかで、患者の予後は大きく変わる。しかし、厚生労働省の2005年の患者調査によると、実際に治療を受けているのは22万人に過ぎない。

 厚生労働省が8月に開催した「慢性疾患対策の更なる充実に向けた検討会」第3回会合では、COPDについて「系統的な施策はほとんど行われていない」として、「QOL(生活の質)の向上に向けた支援を求める患者ニーズにいかに応えていくかという視点から、施策を検討することが重要」と強調された。

 検討会で示された資料によると、糖尿病、高血圧、がん、心疾患、脳血管疾患などの生活習慣病、腎疾患、免疫アレルギー疾患などの病気に対する対策は比較的進んでいる。一方で、COPDは下位に位置づけられており、国の対策が遅れるおそれがあるという。

 そこで、日本医師会、日本呼吸器学会、結核予防会は8月、新たな慢性疾患対策の対象に「慢性閉塞性肺疾患(COPD)」を加えることで、肺の生活習慣病ともいわれるCOPDへの早急な対応を国に求める要望書を厚生労働省に提出した。

 日本のCOPDの年間治療費は8055億円(直接経費6451億円、間接経費1604億円)に上るという。そのうえで、(1)高齢化にともない、わが国のCOPD患者は年々増加している、(2)WHOの統計でも今後の患者の増加と死亡率の高まりが予測され、2020年には死亡順位の3位になると予測されている、(3)COPD対策は喫煙対策と不可分の関係にあり、青少年期からの意識付けにより、将来の医療費の適正化に大きく貢献できる、としている。

第3回慢性疾患対策の更なる充実に向けた検討会(厚生労働省)
日本医師会
  COPDを知っていますか?(健康の森、日本医師会)

(TERA)  
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