日本生活習慣病予防協会
たばこ値上げで喫煙率を減少 「1箱500円」は世界的な流れ
2009.11.06
 厚生労働省は先月、政府税制調査会へ提出する2010年度の税制改正の要望で、たばこ税の税率を引き上げる方針を打ちだした。1本当たり10円の引き上げも検討しており、実現するとたばこ1箱の値段は500円と大幅に値上げされ、「たばこ離れ」が加速するとみられている。

 鳩山由紀夫首相は「喫煙による健康への悪影響」を強調し、長妻昭厚生労働大臣も「喫煙の健康への影響はあきらか。(増税で)日本での喫煙率を下げる必要がある」と述べている。いまやたばこ税増税と値上げは避けられない潮流になっている。

 増税が実現すれば、たばこ1箱(20本)の値段は主な商品で、現在の300円から500円に大幅に値上げされる。たばこ税が増え価格が高くなると「たばこ離れ」が促進するのは、他の先進国の政策でも実証済みだ。

毎年600万人がたばこで死亡
 米国癌学会と世界肺財団がまとめ今年8月に発表した「たばこアトラス」第3版では、喫煙が原因で死亡する人は世界で毎年600万人に上り、その経済損失は5000億米ドル(45兆円)に上ると推測している。たばこが原因となり発症するがんによる死亡数は2015年までに年間210万人に増え、2030年までに83%が所得の少ない途上国に集中するとしている。
「たばこアトラス」第3版
日本の「たばこ税」は世界的には低水準
 日本たばこ産業の調査によると、2009年の男性の喫煙率は前年比0.6ポイント減の38.9%となり、年々減少している。駅などの公共的な場所での喫煙規制を強化し、たばこの箱に「喫煙者が心筋梗塞で死亡する危険性は非喫煙者の約1.7倍高くなる」などと健康アラームを表記、10年に3回の増税と値上げ、タスポ(自動販売機の成人識別カード)の導入などの影響で、健康への意識が高まり「たばこ離れ」は加速している。

 しかし、米国や英国の最近の男性の喫煙率である23%に比べると、日本の喫煙率はまだまだ高い。欧米のたばこ1箱の価格は、英国843円、フランス556円、ドイツ466円、米国706円と、日本よりも大幅に高い。喫煙率を下げようと、税金をあえて高くしているからだ。

 日本の1箱300円のたばこにかかる税は175円で税率は58%、増税すると75%に増加すると見込まれる。これに対し、海外諸国の現在のたばこ税率は英国77%、フランス80%、ドイツ76%、カナダ69%、米国37%、ノルウェー76%、インド69%などとなっている。

 喫煙者が肺がんをはじめとするさまざまな部位のがん、慢性閉塞性肺疾患(COPD)など呼吸器の病気、心臓病、脳卒中などの多くの病気の危険を高めることが科学的に確かめられている。低タール・低ニコチンと表示されたたばこであっても、喫煙がもたらす危険はそれほど低くならない。喫煙は肥満や高血圧、2型糖尿病などにも多大な悪影響をもたらす。

関連情報
最新たばこ情報(健康・体力づくり事業財団)

関連情報(日本生活習慣病予防協会)
たばこ、高血圧、高コレステロールは心臓病の危険因子
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(TERA)  
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