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2007年10月31日

がん

どんな病気?
1981年に脳血管疾患を抜き、日本人の死因のトップになった「がん」は、その後さらに増え続け、現在では毎年30万人以上ががんで亡くなっています。生涯で誰でも一度は、本人または家族ががんを患う可能性がとても高いのです。しかも、がんはいまだに手強い病気で、しばしば患者さんの人生設計を大きく狂わせてしまいます。いったい、がんとはどんな病気なのでしょうか。

人間のからだは、約60兆個の細胞が集まって作られています。それぞれの細胞は、周りの細胞と歩調を合わせながら分裂を続け、自分の役割を果たしています。しかし、なんらかの原因で細胞の遺伝子が傷つき、細胞分裂の際にそれまでと異なる性質をもった細胞が生まれることがあります。そのように変異した細胞の一部は周囲との調和をとらず、増殖しようとします。これが、がんの始まりです。

最初のがん細胞が発生し、それが増殖を繰り返し検査で見つかるようになるまでには、10年以上の年月がかかると考えられています。しかし、それからは比較的短時間で大きくなり、転移の可能性も高くなります。だからこそ早期発見・早期治療が大切なのです。

数字で見るがん
1.年齢階級別受療率
2.受療率の年次推移

がんの予防と治療
このような変異した細胞が発生する確率は、細胞分裂の回数が増えるほど高くなります。ですから高齢になるほどがんになりやすくなることは、ある面、仕方がないとも言えます。

しかし、細胞の変異を起きやすくしたり、変異した細胞の増殖を抑える作用を弱めてしまう要因があります。しかも、それらの要因の約6割が生活習慣に関係していることがわかってきました。そのため、がんも生活習慣病の一つに数えられているのです。

がん発生を促す生活習慣の中で、最も危険なのが喫煙です。肺や喉はもちろん、ほぼすべてのがん発生頻度を高くします。また、一緒に生活している家族のがん発生頻度も高くします。

食習慣も大切な要素です。新鮮な果物や野菜を多めにとり、量、栄養ともにバランスの良い食生活は、がんの予防につながります。塩分の多い食事は胃がん、アルコールの摂りすぎは食道がんの危険を高めます。

このような予防対策とともに、がんの早期発見のためにも定期的にがん検診を受けましょう。がんが小さく転移していないなら、高い確率で治癒できます。手術、薬物療法、放射線療法の3つが、現在のがん治療の中心です。

さらに詳しく知りたい方は
がん情報サービス(国立がんセンター)
がんになっても(アストラゼネカ)

糖尿病

どんな病気?
糖尿病は、血糖値が高くなる病気です。

血糖値とは、血液の中の糖分(ブドウ糖)の濃度(濃さ)のこと。健康な人の血糖値は食事の前の空腹時で80〜110ぐらいです。食事をとり、胃腸で食べ物を消化吸収し、ブドウ糖が血液の中に入ってくると、血糖値は高くなります。しかしそれでも、上限は140ぐらいです。血糖値がこれよりも高い状態を「高血糖」といいます。そして、その高血糖が続いている状態が、糖尿病です。

血糖値が極端に高い場合には、命の危険もあるので緊急治療が必要です。しかし、糖尿病の患者さんがそのような危険な状態に陥ることはめったになく、通常はほとんど症状に現れない程度の高血糖です。症状が現れないのにもかかわらず、からだの中では知らず知らずのうちに、高血糖の悪影響がじわじわと広がっていきます。そして何年かたつと、「合併症」と呼ばれるさまざまな病気や身体の障害が現れます。

例えば、失明することもある糖尿病網膜症。週に約3回、半日がかりで透析を受けないと生きていけなくなる糖尿病腎症。手足のひどいしびれが続いたり、全身にさまざまな影響が現れる糖尿病神経障害。これらの合併症を起こさないために、糖尿病と言われたら、血糖値が高くならないように、いつも気をつけておく必要があります。それが糖尿病の治療です。

数字で見る糖尿病
1.年齢階級別受療率
2.受療率の年次推移

糖尿病の予防と治療
糖尿病は血糖値が高くなる病気です。ですからその予防や治療には、①血糖値が高くなるようなことを控えること、そして、②血糖値が高くなりにくい体質に改善し、それを維持することです。

①の「血糖値が高くなるようなことを控える」とはどういうことかを具体的にいうと、食べ過ぎや飲み過ぎを控えるということです。血糖値は、口から入った食べ物・飲み物が胃腸で消化吸収されブドウ糖になり、それが血液の中に入っていくことで高くなるのですから、食べ過ぎや飲み過ぎは、直接的に血糖値を高くする一番の原因と言えます。適切な量で、栄養バランスの良い食事をとることが、糖尿病の予防と治療につながります。

②の「血糖値が高くなりにくい体質に改善し、それを維持する」とは、血糖を効率良く利用できる体質にする、ということです。そもそも血液中のブドウ糖「血糖」は、全身の細胞のエネルギーとして利用されるために存在しています。血糖が細胞に入り込みエネルギーになる過程は、「インスリン」というホルモンによってコントロールされています。

肥満、とくに内臓脂肪型肥満では、インスリンの働きが出にくくなり(インスリン抵抗性)、血糖値が高くなりやすくなります。逆にインスリンが働きやすい環境(非肥満、筋肉体質)では、血糖値は高くなりにくくなります。

インスリンの働きを良くするには、肥満を防止し、体重を適正にコントロールすることと、歩行、体操、筋肉トレーニングなどの運動を積極的に行い、常日頃からだをよく動かすことです。

さらに詳しく知りたい方は
糖尿病ネットワーク
糖尿病ホームページ(厚生労働省)

高血圧

どんな病気?
高血圧は血圧の高い状態が続く病気です。

血圧とは、血管の中を血液が流れる際に、血管の壁にかかる圧力のことです。健康な人の血圧は、収縮期血圧(心臓が縮んで血液を送り出したときの血圧。最大血圧)が140未満、拡張期血圧(心臓が拡張したときの血圧。最小血圧)が90未満です。このいずれかが上回っている状態が、高血圧です。

血圧が高くても通常、特徴のある症状は現れません。症状が現れないのにもかかわらず、からだの中では知らず知らずのうちに、高血圧の悪影響がじわりじわりと広がっていきます。血圧が高いということは、血管の壁に強い圧力がかかっているということですから、それを治療せずにいると、血管が傷めつけられてその老化現象が早く進んでしまうのです。言うまでもなく、血管は全身に張り巡らされていて、血管のない部分というのはほとんどありません。ですから高血圧の影響は全身に及びます。

血管がたくさんある所ほどその影響を受けやすく、具体的には、脳や腎臓、目の網膜など、それに、血液を送り出す際に負担がかかる心臓も、高血圧の合併症が現れやすい臓器です。それぞれ、脳梗塞、腎不全、眼底出血、心不全などを引き起こします。そうならないよう、高血圧と言われたら、血圧が高くならないように、いつも気をつけておく必要があります。

数字で見る高血圧
1.年齢別階級受療率
2.受療率の年次推移

高血圧の予防と治療
みなさんご存じだと思いますが、塩分をとり過ぎると血圧が高くなります。なぜかというと、塩分のとり過ぎは血液の塩分濃度を高めるように働きますが、ヒトのからだはそれを防ぐために、細胞の中の水分を血液に移行させて、血液の塩分濃度が上がらないようします。すると、血液の量が増えます。血液の量が多ければ多いほど、血管の壁には強い力がかかってしまう、つまり、血圧が高くなってしまいます。また、塩分のとり過ぎは、血管を収縮させるホルモンの反応を高めることでも、血圧を高くします。ですから、高血圧の予防・治療には、減塩が第一です。

また、太り気味の場合は減量が大切です。肥満、とくに内臓脂肪型肥満では腹腔内の脂肪組織から血圧を上げる成分がたんさん分泌されてきます。ですから体重を適正にすると、血圧も正常に近付いてきます。そのうえ、糖尿病や脂質異常症(高脂血症)などの改善効果も得られます。これらの病気はすべて血管の障害を促す原因ですから、減量の効果は血圧低下だけにとどまらず、とても効率の良い治療法だと言えます。

減塩や減量と同時に、からだを動かす習慣を身に付けることもお勧めします。からだを動かすことは、体重管理のうえでも必要ですが、それとともに血行を良くして血圧を下げる効果があります。ただ、血圧がかなり高い場合は、運動中に血圧が高くなり過ぎる可能性もあるので、無理は禁物です。
 このほか、禁煙を心掛け、アルコールの飲み過ぎに注意しましょう。

さらに詳しく知りたい方は
高血圧ホームページ(厚生労働省)
血圧ドットコム(ノバルティスファーマ)
高血圧ライブラリ(healthクリック)

心筋梗塞

どんな病気?
日本人の死亡原因の第2位が心臓の病気なのですが、その多くが心筋梗塞と、心筋梗塞から起きる心臓の病気です。心筋梗塞は、発病が直接命にかかわる非常に怖い病気です。

心筋梗塞は文字どおり、心臓に梗塞が起きる病気です。梗塞とは、ある部分で血液の流れが止まってしまい、必要な血液を得られない箇所の細胞が死んでしまうことです。

心臓は筋肉の塊のような臓器で、人が生きている間、絶えず収縮と拡張を繰り返し、全身に血液を送っています。ですから心臓の筋肉自体の細胞も、その活動のために多量の血液を必要としています。

心臓の筋肉に血液を供給している血管(冠動脈)に動脈硬化が起きていて、そこに血栓ができ血流が妨げられると、心臓の筋肉は途端に血液不足になります。そして激しい胸痛が起こります。これが心筋梗塞の発作です。1分1秒を争う状態なので、すぐに救急車を呼んでください。


発作が治まったあとも、心臓の細胞はほとんど再生しないので、心筋梗塞で失われた範囲は、線維のような組織に置き換わります。その影響で、心臓の収縮・拡張が弱くなったり、心拍のリズムが乱れやすくなったりするなどの後遺症が残ります。

なお、発作の程度が軽くて心臓の筋肉が障害されずに済むのが、狭心症です。狭心症から心筋梗塞に進行するケースもあります。

数字で見る心筋梗塞
1.年齢階級別受療率
2.受療率の年次推移
3.脳血管疾患受療率の内訳

心筋梗塞の予防と治療
心臓の血管(冠動脈)の動脈硬化が進み、その中で血液が固まってしまう発作が、心筋梗塞です。ですから心筋梗塞の予防とは、動脈硬化の進行予防とイコールです。

動脈硬化の進行予防には、その危険因子である脂質異常症(高脂血症)や高血圧、糖尿病などをきちんと治療すること、そして禁煙が欠かせません。血清脂質値や血圧、血糖値をしっかりコントロールすればするほど、心筋梗塞になりにくいということが、日本を含む世界中の研究から証明されています。

そして今は、それらの検査値をしっかりコントロールする方法が十分、確立されています。動脈硬化の危険因子を除去できるということです。心筋梗塞を起きにくくし「命を守る」術がすでにあるということです。それを実践するかしないかは、あなた次第です。

動脈硬化の危険因子である、脂質異常症や高血圧、糖尿病は、しばしば「肥満」という共通の原因から起きてきます。また近年では、見た目は肥満に見えない“隠れ肥満”の怖さが注目されています。みなさんご存じの、メタボリックシンドローム。肥満やメタボリックシンドロームの人は、まず内臓脂肪減少を中心とした減量が第一で、それによって危険因子の多くを改善できます。

なお、もし心筋梗塞が起きてしまった場合は、再発を防ぐために、血清脂質値をより一層厳格にコントロールしていきます。

さらに詳しく知りたい方は
メルクマニュアル医学百科(万有製薬)
心筋梗塞、狭心症 その予防と治療
(国立循環器センター)

脳梗塞

どんな病気?

日本人の死亡原因の第3位が脳の血管の病気なのですが、その多くが脳梗塞です。脳梗塞をいったん発病すると、たとえ命が助かったとしても、多くの場合、麻痺などの後遺症が残ってしまいます。


脳梗塞は文字どおり、脳に梗塞が起きる病気です。梗塞とは、ある部分で血液の流れが止まってしまい、必要な血液を得られない箇所の細胞が死んでしまうことです。脳の細胞はほとんど再生しないので、脳梗塞で失われた機能は取り戻せません。ですから命が助かっても、後遺症が残ってしまうのです。


脳梗塞の原因は、大きく分けて二つあります。一つは脳の血管そのものに起こる動脈硬化(脳血栓症)です。脳の動脈硬化が進んで血管の内部が狭くなり、血液の流れが悪い部分ができていると、ちょっとした血圧の変化などをきっかけに、その部分に血栓(血の塊)ができて、血液の流れを完全に塞いでしまいます。


もう一つは、脳でなく心臓の出来事によるもので、その大部分は、代表的な不整脈である心房細動の結果、心室にできた小さな塞栓が血液の流れに乗って脳の血管に運ばれてきて、そこで血流を塞いでしまう(脳塞栓症)という、起こり方です。


脳梗塞の発作が起きると、手足のしびれや麻痺、ろれつが回らないといった症状が現れ、時間とともにひどくなっていきます。これらの症状が突然現れたら、躊躇せずに救急車を呼ぶことが、なにより大切です。

数字で見る脳梗塞

1.年齢階級別受療率

2.受療率の年次推移

3.脳血管疾患受療率の内訳

脳梗塞の予防と治療

脳の血管の中で血栓や塞栓が血流を止めてしまうのが、脳梗塞の原因です。ですから、脳梗塞の予防には、血栓ができにくいように、血液を固まりにくくしておくことが、これの予防につながります。いわゆる「血液サラサラ」の状態が良いわけです。


注意したいことは、こまめに水分を補給することです。からだが脱水傾向にあるとき、血液は濃縮されてドロドロになり、固まりやくすなります。つまり、脳血栓による脳梗塞が起きやすくなります。脳梗塞は高齢者に多い病気ですが、高齢者はからだの水分が少なくなっても喉の渇きをあまり感じないことがあります。ですから例えば夜寝る前に、また夜中トイレに起きたときなどに、コップに3分の1から半分程度の水を飲むと良いでしょう。


なお、脳血栓を来す動脈硬化の予防には、その危険因子である高血圧や脂質異常症(高脂血症)、糖尿病などをきちんと治療すること、そして禁煙が必要です。一方、脳塞栓による脳梗塞については、心房細動など、不整脈の管理が重要です。


脳梗塞の発作が起きてしまったときに大切なことは、1分でも早く専門的な治療を受けることです。治療開始までに要した時間の長短が、発作後の予後(命が助かるか否かや、麻痺の程度)に大きく関係してきます。後遺症が残った場合、リハビリテーションを始めます。初めは大変つらいものですが、必ず少しずつ良くなっていきますから、希望を持って続けてください。


さらに詳しく知りたい方は

NO!梗塞.net(田辺三菱製薬)

医学の基礎知識(東芝)

骨粗しょう症

どんな病気?
骨粗しょう症は、骨が中がスカスカになり、その密度が減って、十分な強度を保てなくなる病気です。その結果、ちょっとした衝撃で簡単に骨折してしまうことになります。

「骨折」と聞いて多くの人が思い浮かべるのは、健康な人がスポーツ中に事故などで骨を折ってしまうようなケースではないでしょうか。このようなときは折れた骨を修復し固定しておけば、数週間で元のように戻ります。

しかし、骨粗しょう症で骨折した場合、そう簡単にはいきません。なぜなら、もともと骨の密度が減っているからです。骨折の回復力が弱く、しっかり骨がつながるのに長い時間がかかってしまいます。

とくに影響力が大きいのが、足の付け根の部分(大腿骨頸部)の骨折です。この部分を骨折すると、たちまち動けなくなってしまい、寝たきりの生活を余儀なくされます。寝たきりの状態だと、骨は余計に弱くなり、骨粗しょう症が進行してしまいます。骨がつながるまで何カ月もかかります。高齢者の場合、骨折が治ったころには筋肉が衰えていて歩けず、結局、車椅子の生活になってしまったり、認知機能障害になってしまうケースもあります。

このようにQOL(生活の質)への影響力が大きな骨折を防ぐことが、骨粗しょう症を診断し治療する目的です。女性は男性よりもこの病気になりやすく、とくに閉経後に気をつけておきたい病気の一つです。

数字で見る骨粗しょう症
1.年齢階級別受療率
2.受療率の年次推移

骨粗しょう症の予防と治療
骨粗しょう症は、とくに予防が大切な病気です。それは、「どんな病気?」のページで説明したように、いったん骨折してしまうと生活に多大な影響が及びやすいからでもありますが、もう一つ、いったん骨の量が減ると、それを増やすのはなかなか困難だからです。

幸い今では超音波などを使った簡単な検査があります。検査で骨粗しょう症、またはその予備群と診断されたら、恐らくその時点では全く自覚症状はないと思いますが、ぜひ予防・治療を始めてください。

骨粗しょう症の予防・治療で大切なことは、まず、骨の原料であるカルシウムを十分にとるということです。また、カルシウムの吸収や骨の新陳代謝を活発にするビタミンD、あるいはビタミンKもとるようにしてください。そして、少し骨に負荷がかかるような運動を続けましょう。運動で骨に少し刺激を加えることで、骨の新陳代謝が促進されます。

もう一つは「転ばぬ先の杖」とのことわざどおり、転ばないようにすることと、ヒッププロテクターの使用で、万が一の転倒に備えることです。

家の中のじゅうたんやカーペットの縁は、めくれないように固定しておきましょう。廊下や階段、風呂場など、すべりやすい所には手すりをつけましょう。部屋の照明のスイッチは、暗い中を手探りで探す必要がないように、入り口につけたほうが安心です。外出時は、履き慣れた靴を履きましょう。

さらに詳しく知りたい方は
みんなの健康百科:骨粗しょう症(万有製薬)
骨粗しょう症のはなし(武田薬品)

白内障

どんな病気?
白内障は、眼の中のレンズである「水晶体」が濁った状態のことです。カメラで写真を撮るときのことを考えてみましょう。カメラのレンズが濁っていたら、当然、いい写真はとれませんね。ぼやけたり、変な光が写ったりしてしまうことでしょう。

白内障も同じです。眼のレンズである水晶体が濁ってしまうのですから、瞳孔から眼の中に入った光は、眼の奥の網膜にしっかり到達しません。眼の内部で光が散乱したり、ピントがずれたりしてしまいます。そのために、まぶしさを感じたり、見ている物がかすんで見えたり、近視になったり、視力が低下したりします。

白内障の原因の大半は、加齢、つまり、年をとることです。年とともに、髪の毛には白いものが、肌にはシワが増えてきます。それと同じです。症状を強く感じるかそうでないかという違いはありますが、詳しい検査をすれば、50歳を過ぎた人の多くに白内障がみつかります。80歳以上の人なら、ほぼ100%に見つかります。

ただし、なかには加齢以外の原因で起きる白内障もあります。例えば眼の怪我、アトピー性皮膚炎で顔面の症状が強い場合、糖尿病、白内障以外の眼の病気がある、などといったことです。しかしいずれにしても、今では幸いなことに、ほんどの場合、安全に治療できます。

数字で見る白内障
1.年齢階級別受療率
2.受療率の年次推移

白内障の予防と治療
白内障は幸いなことに、今ではほんどの場合、安全に治療できます。ですから、「自分も白内障になるのではないか」とか「検査で白内障を指摘されたけど、この先どうなるのだろう」などと心配する必要はありません。白内障になり、見づらいと思うようになったら、手術を受ければよいのです。

「白内障だけれども、まだ手術を受けるほどではない」という状態のときには、進行を遅らせるための点眼薬が使われます。また、まぶしさや近視に対しては、サングラスやメガネなどで対処します。紫外線が白内障の進行を早める可能性がありますので、紫外線をカットするタイプのレンズを使うのも良いかもしれません。

ここで、現在主流の超音波を使った白内障手術について、簡単にその方法を説明しましょう。まず、点眼麻酔か注射での局所麻酔をします。そのあと角膜(茶目)と結膜(白目)の境目あたりをわずかに切開します(この傷は手術後、縫合せずに自然に塞がります)。

切開した所から器具を入れて、水晶体に超音波を当て、水晶体を砕きます。砕いた水晶体を吸引し、あいたスペースに眼内レンズを挿入し、終りです。手術の時間は数十分ほど。条件が整えば日帰り手術も可能です。

なお、今のところ一般的な眼内レンズはピント調節機能がありません。手術後は必要に応じてメガネなどで矯正してもらいます。

さらに詳しく知りたい方は
目と健康シリーズ:白内障(糖尿病ネットワーク)
白内障の症状と治療(参天製薬)

歯周病

どんな病気?
歯周病は文字どおり、歯の周りの病気です。歯そのものに起きる病気の代表が虫歯であるのに対して、歯周病は歯を支えている歯肉や歯槽という部分に起きます。

歯を支えているこれらの組織に炎症が起き、それが長期間続きます。歯周組織が少しずつ傷められ、歯を支える力は徐々に衰えていきます。やがて歯がぐらついてきます。こうなるまで、多くの場合、あまり自覚症状はありません。口臭が気になったり、風邪をひいたときに歯茎が腫れることはありますが、それを歯周病と結び付けて治療を受ける人は、あまりいらっしゃらないようです。恐らく、歯周病には、虫歯が進行したときに感じるような激しい痛みが少ないからなのでしょう。

しかし、歯がぐらつき始めてからの歯周病治療は大掛かりになりますし、他の歯への負担を考えて、抜歯するしかないこともあります。歯の本当の大切さを、失ってからしみじみ実感するようなことにならないよう、歯周病をしっかり治療していきましょう。

歯周病の原因は、口の中に住み着いている細菌です。歯をしっかり磨いていないと、歯と歯茎の間の間に食べ物の食べかすがたまり、口の中の細菌の良い居住環境を提供してしまうのです。そして歯肉が侵されて歯周ポケットができると、ポケットの奥は歯ブラシが届かず磨くことができませんので、ますます細菌を勢いづけてしまうことになります。

数字で見る歯周病
1.年齢階級別受療率
2.受療率の年次推移

歯周病の予防と治療
歯周病の原因は、口の中に住み着いている細菌です。ですから、その細菌の数を少なくすることが、歯周病治療の基本です。どうすれば良いのかというと、なにも難しいことではなく、歯をしっかり磨くことです。

歯磨きで大切なことは、歯と歯茎の間など、歯ブラシの毛先があたりにくい所をしっかり磨くのと同時に、歯間ブラシを用いて歯と歯の間をきれいにすることです。そういう所ほど、細菌が住み着きやすい場所だからです。この点を勘違いして、歯の表面をピカピカ磨いて満足していらっしゃる方が少なくないようです。正しい歯の磨き方をぜひ一度、歯科医院で教わってください。

次に大切なことは、定期的に歯科医院を受診することです。どんなに歯をしっかり磨いていても、どうしても磨き切れない部分がありますし、そのような磨き残しからできる歯石は、歯科医院で取ってもらう以外、方法がないからです。もちろん、歯周病の検査のためにも定期的な受診が必要です。

それともう一つ。たばこを吸う人は禁煙してください。たばこを吸うと、口の中が細菌の繁殖に適した環境に変化し、また、菌に侵された歯周組織の再生が妨げられ、歯周病の進行が早くなるからです。

進行し深くなった歯周ポケットに対しては、歯肉を切り取る手術療法をします。それにより、細菌が繁殖する足場をなくし、歯の根元までしっかり歯磨きできるようになります。

さらに詳しく知りたい方は
歯周病と全身疾患(サンスター)

痛風

どんな病気?
痛風は「風が当っただけで痛い」と表現されるほどの激痛が発作的に起こる関節炎です。主に足の親指の付け根付近に生じます。患者さんの多くは30〜50代の男性で、女性が痛風になることはめったにありません。

痛風発作の激しい痛みは数日間続き、手当ての有無にかかわらず、やがて治まってくるのがふつうの経過です。このため患者さんの中には、発作の原因である「高尿酸血症」を治療せずにいる人が少なくありません。高尿酸血症そのものは、全く自覚症状がない病気だからです。

高尿酸血症とは、からだの新陳代謝で発生する老廃物である「尿酸」が増え過ぎている状態です。 尿酸コントロールには「6-7-8のルール」が適応されます。8以上は多くの場合、薬物治療が必要で、6以下をめざします。そして7以下は正常、7を超えると高尿酸血症です。

高尿酸血症のために体内で結晶化した尿酸は、関節や腎臓などに溜まります。関節に溜まった尿酸の結晶が痛風発作の原因となります。痛風そのものは短期間で治まっても、高尿酸血症を治さないことには体内の尿酸結晶はそのまま存在し続けます。

その結果、痛風発作が再発したり、腎臓中の尿酸結晶が原因で腎臓病になったり、尿路結石ができたりといった、さまざまな合併症が起こります。また高尿酸血症の患者さんはたいてい、メタボリックトンドロームに該当し、動脈硬化が進行しやすい状態にあります

数字で見る痛風
1.年齢階級別受療率
2.受療率の年次推移

痛風の予防と治療
「痛風の予防」とは、「高尿酸血症の治療」と全くイコールです。そして、高尿酸血症を治すことで痛風発作を予防できるだけでなく、痛風以外の合併症である腎臓病や尿路結石も予防できます。同時にメタボリックシンドロームを治療し、動脈硬化の進行を抑えることにもなります。

尿酸値を下げる具体的な方法の第一は減量です。高尿酸血症の患者さんの多くは太り気味で、その患者さんが減量すると、尿酸値も下がります。尿酸値だけでなく、治療前に異常値を示していた可能性が高い血清脂質値や血糖値、血圧も改善します。このような効果は、すべてメタボリックシンドロームの改善、動脈硬化の抑制につながります。

減量のためには、適切なカロリーで栄養バランスのよい食事をとること、そして適度な運動を続けることが欠かせません。なお、運動の強さが強過ぎると、逆に尿酸値が高くなるので注意してください。

減量に加えて、尿酸値を上げない工夫も必要です。例えばアルコール(とくにビール)を飲み過ぎない、体内で尿酸に変わる「プリン体」の多い食べ物(レバーなど)を食べ過ぎない、水分をよくとるといったことです。

なお、治療を始めて尿酸値が変化(下降も含む)しているときは、痛風発作が起きやすくなります。発作時には医師に処方された薬を飲み、対処してください

さらに詳しく知りたい方は
痛風なんて怖くない:PDF(鳥居薬品)
うらりねっと(日本ケミファ)