統計・数字
糖尿病がある場合の降圧目標をさらに低めに設定 日本高血圧学会「高血圧治療ガイドライン 2004年版」発行
2004.12.20
 日本高血圧学会から「高血圧治療ガイドライン 2004年版」が発行されました。高血圧治療ガイドラインは2000年に発行されましたが、その後、新しい降圧薬が開発されたことや大規模臨床試験の結果が明らかになったこと、WHO や米国、欧州で新しいガイドラインが発表されたことなどから、国内のガイドラインも改訂が検討されていました。

 2000年版のガイドラインでは糖尿病がある場合の降圧目標を、若年者・中年者と同じ130/85mmHg としていましたが、今回の 2004年版ガイドラインでは、糖尿病や腎臓病がある場合130/80mmHg 未満と、拡張期血圧はより低めの降圧目標が推奨されています。糖尿病性腎症があり尿蛋白が1g/日以上の場合には、2000年版のガイドラインと同様の125/75mmHg 未満を降圧目標としいます。

 高齢者の降圧目標については、2000年版では「高齢者は脳などの重要臓器に循環障害があることが多く、過度の降圧が循環障害をより進行させる可能性があるため、収縮期血圧140〜160mmHg 以下(年齢を考慮)、拡張期血圧 90mmHg 未満が望ましい。ただしこの設定が妥当かどうかについては今後に残された課題」とされていましたが、2004年版では、前期高齢者(65歳以上75歳未満)の降圧目標を140mm/90mmHg 未満と低めに改め、後期高齢者(75歳以上)でも軽症高血圧の場合は140mm/90mmHg 未満を降圧目標として、中等症・重症高血圧(収縮期血圧が160mmHg以上)の場合には、最終的な降圧目標を140mm/90mmHg 未満に置くものの150/90mmHg を暫定的な目標として慎重な治療が必要、とされました。

 このほか食塩摂取量について、従来1日7g 未満とされていたものを1日6g 未満と、より少なめにすることが推奨されました。日本人の食塩摂取量が減少してきたことと、欧米のガイドラインが1日6g 未満を推奨しているためです。

 なお、血圧値の分類は2000年版のガイドラインと同様(表1)、予後評価のためのリスクは表2のように層別化されています。

表1 成人における血圧の分類

分 類収縮期血圧
(mmHg)
 拡張期血圧
(mmHg)
至適血圧120未満かつ80未満
正常血圧130未満かつ85未満
正常高価血圧130〜139または85〜89
軽症高血圧140〜159または90〜99
中等症高血圧160〜179または100〜109
重症高血圧180以上または110以上
収縮期高血圧140以上かつ90未満

表2 高血圧患者のリスクの層別化

血圧以外のリスク要因血圧分類
軽症高血圧
(140〜159/90〜99mmHg)
中等症高血圧
(160〜179/100〜109mmHg)
重症高血圧
(180mmHg以上/110mmHg以上)
危険因子なし低リスク中等リスク高リスク
糖尿病以外の危険因子あり中等リスク中等リスク高リスク
糖尿病、臓器障害、心血管病のいずれかがある高リスク高リスク高リスク

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