世界腎臓デー は3月13日 慢性腎臓病(CKD)に挑戦
2007年12月 4日 17:00
 末期腎不全と心血管疾患を予防し減少するために、世界中で慢性腎臓病に対策し協力しようという取り組みが進められている。その一環として毎年3月第2木曜日を「世界腎臓デー」と定め、対策と予防を啓発するキャンペーンが始められている。
感染症をしのぐ勢いで拡大
 心疾患、高血圧、糖尿病、慢性腎症といった慢性疾患による脅威は、世界中で感染症をしのぐ勢いで拡大している。「慢性腎臓病」(CKD)と心疾患による死亡者は2015年までに3,600万人に上ると予測されている。
世界腎臓デー
 世界腎臓デーは、毎年3月の第2木曜に行われる。2008年は3月13日が世界腎臓デー。
 国際腎臓学会(ISN)と国際腎臓財団連合(IFKF)が発案し2006年より始められた。今年は日本を含む66カ国で実施された。

http://www.worldkidneyday.org(英文)

慢性腎臓病(CKD)
 腎臓は、(1) 血液をろ過して尿を作り、体内の水分バランスを最適に保つ、(2) 血圧を調節するホルモンを分泌する、(3) 赤血球を作るホルモンを分泌する、(4) 骨の強度を保つために必要なビタミンDを活性化する―といった役割をもっている。
 腎臓の機能が低下すると、液が十分にろ過できず、血液中に老廃物が残ってしまったり、逆にからだにとって必要な栄養素が尿に混ざって出ていってしまったり、体内の水分が過剰になる。また、血圧が高くなる、貧血になる、骨がもろくなる、といったことも起きる。
 慢性腎臓病は、慢性的に腎機能が低下している状態をさす考え方で、2002年に米国で提唱された。具体的には、‘尿タンパクが陽性であるなどの腎疾患を示す所見がある’、‘腎機能の低下を示す糸球体ろ過値(GFR)が1分あたり60mL未満である’、のいずれかの状態が3カ月以上持続する人と定義されている。

 世界の感染症による死亡者数は、今後10年間で3%減るとみられているが、30歳から上の世代で多い生活習慣病は、逆に17%増えるとみられている。これらの病気は30歳より上の年代での医療負担の72%を占めている。先進国だけでなく途上国でも、こうした傾向がみられるようになった。

 適切な治療を行わないと腎不全になり、透析治療が必要になる場合がある。世界で、透析療法を受けているか、腎移植を必要としている患者は150万人以上いる。透析や移植にかかる医療費は高く、世界には十分な治療を受けられない人も多い。

 さらに恐ろしいことに、腎臓病は他の病気と重なることで危険性がより高まる病気だ。糖尿病と高血圧症のある患者では死亡リスクが高くなり、心臓病のリスクも高まる。慢性腎臓病があると、心不全や脳梗塞など心血管疾患の発生率が高いこともわかってきた。

もっとも有効な対処法は
予防と早期発見、治療
 慢性腎臓病が注目されるようになったのは、有効な治療を施せば予防ができることがわかってきたからだ。すでにわかっている治療法を十分に活用すれば、慢性腎臓病を減らし、透析が必要となる末期腎不全への進行を抑えることができる。しかし、そのために慢性腎症を初期のうちに発見することが重要だ。

 世界保健機関(WHO)は、慢性腎臓病を予防し、早期発見し適切な治療を行えば、今後10年間に腎臓病に関連する死亡率を1年当たり2%縮小できると試算した。

 慢性腎臓病とその予防について、キャンペーンや啓発活動により認知を広げ、慢性腎臓病の診療の質を高めることが求められている。

関連情報
 糖尿病と腎症について以下のページで詳しく解説している。
合併症ってなんだ? - 腎症(糖尿病Q&A10000)
糖尿病による腎臓の病気(糖尿病セミナー)
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