「食」で経済成長 政府が省庁連携の10プロジェクトを決定
2010年12月22日 17:41
 政府は「食」に関する将来ビジョン検討本部の会合で、生活習慣病の予防や改善のためにも、健全な食生活を送るための教育、いわゆる「食育」を推進する必要があるとして、省庁連携で取り組む10のプロジェクトを決めた。「食」を「国の成長の基盤ともいうべき最重要テーマ」と位置付けており、新たな成長産業をうみだす狙いもある。

 「食」の将来ビジョンの策定は、政府が昨年12月にまとめた新成長戦略の基本方針で決定。今年4月に各省庁が連携し検討本部を設置し、具体化を進めていた。
食文化活用、150地区で1500億円経済効果を創出
 プロジェクトの1つとして挙げた「食文化」を軸とする観光や産業の推進では、経済効果10億円のモデル地区を全国に150ヵ所つくり、モデル地域を10年間で計1500億円の経済効果を目指すことなどを盛り込んだ。

 他にも、「食」と「農」を基盤とした健康・長寿社会の構築では、医療・食・農が連携し、厚労省や農水省が中心となり全国500地区でモデル的な取り組みを開始する。

 例として、熊本県益城町で作業療法士などを交えリハビリやセラピー作業を行い、福祉施設利用者の健康増進をはかり、ブルーベリーの病院食利用に向けた商品を開発している事例や、青森県青森市でNPO法人が食堂と農園を経営し、医師や栄養士の監修による栄養バランスのとれた食事の提供や、ヘルスツーリズムなどの健康増進のための事業を展開している事例などが紹介された。

「食」に関する将来ビジョン(「食」に関する将来ビジョン検討本部、2010年12月決定)

1. 地域資源を活用した6次産業化
農林漁業者が第一次産業が食品加工や流通販売も展開する6次産業化を推進。企業や研究機関とも連携し、新商品を開発・生産・販売する。

2. 「食文化」を軸とする観光・産業・文化政策の展開
国産食材をできる限り使用し、日本ならではの食文化の促進や地域の振興をはかる。

3. 我が国農林水産物・食品の輸出促進による海外展開
加工技術、伝統料理など、さまざまな地域資源を組みあわせて海外に発信し、農林水産物・食品の輸出を促進する。

4. 「交流」を軸とした農山漁村コミュニティの再生・地域活性化
高齢化が進み、若年層の就労の場が不足している農山漁村の活性化をはかる。

5. 再生可能エネルギーの導入拡大
バイオマスを始めとする多様な地域資源を活用し、エネルギーを高度に生産・利用し、スマートビレッジを育成。

6. 農林水産分野の有する環境保全機能を支える仕組みの構築
豊かな二次的自然環境のある農山漁村を、グリーンツーリズムや環境便益への経済的支援を通じて開かれた場として整備する。

7. 医療、介護、福祉と食、農の連携
「食」と「農」を基盤とした健康・長寿社会の構築をめざし、全国500地区でモデル的な取り組みを開始。

8. 全ての世代、様々な立場の人々が参加する「生涯食育社会」
企業や大学、地域コミュニティなどに参加してもらい、生涯食育の推進や、地域一体となった食育の取組みを推進する。

9. 「食」に関する将来ビジョンの実現に向けた国民運動の展開
「朝」「健康」「食文化」「子ども」といった視点から、様々な国民運動を連携して展開し相乗効果を得る。

10. 総合的な食料安全保障の確立
生産面だけでなく、流通・加工・消費面、国際面を含め、国民への食料の安定供給を確保する。

「食」に関する将来ビジョン検討本部(農林水産省)

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