慢性閉塞性肺疾患(COPD)の予防・早期発見を推進
2010年12月27日 14:04
 慢性閉塞性肺疾患(COPD)の患者数は全国に約500万人。多くは早期発見・治療により、予防や軽症のうちに改善できるとみられている。COPDの症状や診断法について普及啓発をはかる対策が開始された。
厚労省検討会が「COPDの予防・早期発見」報告書
 厚生労働省は12月22日、報告書「今後の慢性閉塞性肺疾患(COPD)の予防・早期発見のあり方について」を公表した。COPDについては、同省が設置した「慢性疾患対策の更なる充実に向けた検討会」で「疾患対策の充実について幅広く検討されるべき」と指摘されていた。

 慢性閉塞性肺疾患(COPD)は、主にたばこの煙などの有毒な粒子やガスを吸入することで引き起こされる進行性の疾患で、運動時の呼吸困難や慢性の咳・痰などの症状がある。患者数は全国に約500万人、年間の死亡者は約1万5000人と推計されている。

 COPDは禁煙などにより予防でき、早期発見・治療をすることで発症の危険性と発症したときの負担を大幅に軽減することができる。そのため報告書では、予防から早期発見、適切な医療など、一連の支援方策を具体的に示すことを重視し、COPDについての適正な認知を広げ、COPDによる社会的損失の軽減につなげたい考えだ。

 今後は報告書をふまえ、まざさまな健康増進に関する機会を活用し、普及啓発に取り組むなど、COPDに対する対策を進めていく。

報告書「今後の慢性閉塞性肺疾患(COPD)の予防・早期発見のあり方について」(厚生労働省)

日本医師会、呼吸器学会などがCOPD対策推進会議を発足
 日本医師会など4団体は12月16日、慢性閉塞性肺疾患(COPD)の早期発見・治療につなげることを目的に「日本COPD対策推進会議」を発足させた。同会議は日本医師会のほか、日本呼吸器学会、結核予防会、日本呼吸ケア・リハビリテーション学会で構成。

 COPDの診断は、本来スパイロメータによる精密検査が必要となるが、早期治療を促すために、かかりつけ医や健診においてCOPDの疑いのある人を早期に発見し、専門医による精査の後、患者の様態レベルに応じた適切な治療を行う仕組みづくりが検討されている。そのために、地域のかかりつけ医と専門医との連携はとりわけ重要だ。

 40歳以上のCOPDの疑いのある人を対象に、「IPAG問診票」や「ハイ・チェッカー(肺年齢)」を利用し、早期発見・治療を促したい考えだ。IPAGのCOPD問診票は国際的に注目されており、日本でも日本呼吸器学会などで検証が進められている。日本人を対象とした問診票を整備するために、より多くの日本人におけるスパイロメトリーとの比較検討などを進める必要があるが、スクリーニングに有用なツールなので、広く活用されることが期待されている。

 また「肺年齢」は、実年齢との乖離から呼吸機能の異常を早い段階で知るための、COPDよりも分かりやすい概念として、一般への情報提供に活用することが期待されている。呼吸機能(1秒量)は20歳前後をピークに加齢とともに低下する。肺年齢は同性・同世代と比較して自分の呼吸機能がどの程度であるかを理解しようというもの。

 COPDの専門機関としては、呼吸器内科の標榜施設、日本呼吸器学会の認定施設が検討されている。また、日本呼吸器学会では、ホームページでの一般向けの情報の充実を検討している。

禁煙推進活動(日本医師会)
禁煙のすすめ(日本呼吸器学会)

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