ミルクを毎日飲む習慣があると2型糖尿病リスクが低下
2011年10月 4日 13:44
 米国の若年者が低脂肪のミルクや乳製品を摂取する習慣が身についていると、成人してからもミルクや乳製品を摂取する傾向があり、その習慣をもたない人に比べ、2型糖尿病の発症リスクが有意に低下するという2件の研究結果が報告された。

 これらの研究は米ハーバード大学の研究者が行ったもので、米国の乳製品の加工業者が中心となり進行しているキャンペーン「牛乳食育プログラム(Milk Processor Education Program)」の一環として行われた。

 1つめの研究では、3万7000人の女性を対象に、高校生のときの食生活について調査した。十代の頃にミルクや乳製品を1日1サービングしかとらなかった群に比べ、1日4サービング摂取していた群で、成人してから2型糖尿病の発症が有意に低下していた。成人してからの2型糖尿病発症リスクが最大で38%も低くなるという結果が導きだされた。

 2型糖尿病の危険要因のひとつである体重の変化について調べたところ、十代のころにもっともミルクをよく飲んでいた群は、成人してからも乳製品を摂取する習慣が身についており、その習慣のない群に比べ体重増加が約1.8kg(4ポンド)も少なかった。

 研究者らは「若年期のミルクや乳製品の摂取は、2型糖尿病の発症低下に影響することが示唆された。高校生だった頃に身についた有益な食生活は、成人してからも持続している可能性がある」と述べている。

 2つめの研究は、毎日の食事での蛋白質の摂取について、約20万人を対象とした大規模研究を解析したもの。対象とした研究には、約3万7000人の医療従事者が参加した「Health Professionals Follow-Up Study」(1986〜2006年)、約8万人の看護師が参加した「Nurses' Health Study I」(1980〜2008年)、8万7000人の看護師が参加した「Nurses' Health Study II」(1991–2005年)が含まれる。403万3000人・年の追跡期間に約1万4000人が2型糖尿病を発症した。

 赤身肉を毎日とっている人で発症が増えていた一方で、蛋白質をナッツ類、低脂肪乳、全粒粉などでとっている人や、赤身肉の摂取を1日1サービングに抑えている人では、2型糖尿病の発症が16〜35%低くなるという結果になった。

 無調整のミルク1杯には、約8グラムの蛋白質が含まれる。牛乳はカルシウム、脂質、炭水化物、ビタミンの供給源としても重要。ただし、牛乳や乳製品のとりすぎは脂肪の過剰摂取につながる。乳製品を大量に消費している米国であっても、米国食事ガイドラインでは「毎日飲むのなら、低脂肪・無脂肪の牛乳が良い」と勧めている。

New research: Milk-drinking teens reap health benefits through adulthood
Adolescent dairy product consumption and risk of type 2 diabetes in middle-aged women
American Journal of Clinical Nutrition. 2011: 94;854-61
Red meat consumption and risk of type 2 diabetes: 3 cohorts of US adults and an updated meta-analysis
American Journal of Clinical Nutrition. 2011; 94:1-9

© 2014 Soshinsha.
掲載記事・図表の無断転用を禁じます。

「なぜ運動が良いのか」メカニズムを解明 筋肉ホルモンが心臓を保護 2018.10.03
サッカーで糖尿病を予防 サッカーは骨を丈夫にできる最適な運動 2018.10.02
加齢や健康について周囲に話せるシニアは「幸せ度」が高い 意識調査 2018.10.02
乳がんの新たな検査法を開発 マンモグラフィーの欠点を克服 神戸大 2018.10.02
【9/10〜9/16は自殺予防週間】SNS(LINE・チャット)相談できます! 2018.09.13
「ミドリムシ」の成分が血糖値の上昇を抑制 期待できる健康効果 2018.09.13
糖尿病患者さんに向けて「血糖トレンド」啓発キャンペーンを始動 2018.09.06
「コーヒーは健康に良い」は本当か 何杯までなら飲んで良いのか? 2018.08.30
「第4回がん撲滅サミット」を11月18日(日)に東京ビッグサイトで開催 2018.08.30
介護予防に効果がある「百歳体操」の動画 大阪市が吉本興業と共同制作 2018.08.30
簡単な体力テストで糖尿病リスクが判明 握力やバランス感覚が重要 2018.08.24
「社会的な孤立」「閉じこもり」は危険 高齢者の死亡リスクが2倍超に 2018.08.07
「介護離職」が年間に9.9万人 働きながら介護は346万人 「介護離職ゼロ」の目標遠く 2018.08.07
世界の8.5億人が「腎臓病」 腎臓病の恐ろしさを知らない人が大半 2018.07.20
【健やか21】避難所生活で健康に過ごすための注意点(厚労省) 2018.07.20
「入浴」に健康増進のプラス効果 週5回以上の入浴が心血管を保護 2018.07.20
【健やか21】平成30年度 家族や地域の大切さに関する作品コンクール 2018.07.17
「熱中症」と「エコノミークラス症候群」を予防する方法 被災地で緊急課題に 2018.07.17
子育て中の親のスマホ依存が子どもに悪影響 スマホを置いて対話を 2018.07.17
「超加工食品」がメタボ・糖尿病・がんのリスクを高める 保健指導にも影響 2018.06.28
作りおきに「食中毒」リスク 冷蔵庫保管でも「においで判断」はNG 2018.06.28
「笑い」が糖尿病やメタボ、がんを改善 よく笑うと健康効果を得られる 2018.06.06
「ミドリムシ」からメタボを改善する成分 「痩せるホルモン」を促進 2018.06.06
乳がんと大腸がんを尿検査で早期発見 簡便ながん検査を実用化 2018.05.02
糖尿病の発症前に「慢性腎臓病」(CKD)は悪化 検査で早期発見を 2018.05.02
【連載紹介】何をどう食べるか―体験から得た震災時の食の"知恵袋" 2018.05.02
「プロポリス」が認知機能の低下を抑制 7年間の国際研究で判明 2018.04.27
【健やか21】平成30年度「児童虐待防止推進月間」の標語を募集します! 2018.04.27
夏の夜は「心筋梗塞」の増加に注意 季節の日照時間によって発症に差 2018.04.26
糖尿病リスクは「雨」? 久山町研究の成果で「ひさやま元気予報」 2018.04.19
Copyright ©1998-2013 Soshinsha.
掲載記事・図表の無断転用を禁じます。
日本臨床内科医会プロジェクト
大人の健康生活ガイド facebook
更新情報配信中!
あなたの年代の“平均余命”
知っていますか??
お住まいの地域の「健康リスク」
“死因別死亡率”
病気別ガイド - 原因・症状・対策 -
あなたの脳は大丈夫?

第11回 読み書き「難読漢字・花偏」

難読漢字の読みに挑戦する問題です。何故そのような漢字になったのか調べてみるのも脳の活性化につながります。(2013/2/20)

 続きはこちら