朝食の欠食とむらはメタボ発症につながりやすい 内科学会で発表
2013年4月17日 15:56
 朝食を食べたり食べなかったりという不規則な生活習慣性が、メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)の発症に影響しているという研究結果を、東京慈恵会医科大学総合健診・予防医学センターの和田高士教授がまとめた。4月14日に第110回日本内科学会総会・講演会で発表した。

 朝食を食べたり食べなかったりする人は、毎日食べる人よりメタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)になるリスクが女性で4倍以上、男性では2倍近く高くなるという。

 和田教授らは、2004年4月〜2009年3月に、2年以上連続して受診し、初回はメタボリックシンドロームと判定されなかった30歳〜59歳の男女6,104人を対象に調査した。

 人間ドック受診時に、朝食摂取日数ほか18種類の生活習慣(食事エネルギー、塩分、バランス、1週間での夕食の外食回数、間食回数、夜食回数、食事スピード、1週間のエタノール摂取量、喫煙本数、喫煙年数、禁煙後年数、受動喫煙の有無、1日の身体活動時間、汗をかくような運動時間、月間休日日数、睡眠時間、疲労回復度、歯磨き回数)、治療状況などを調べた。

 さらに人間ドックの結果から、メタボリックシンドローム診断に必要な検査、腹囲、血圧、脂質、血糖の検査データを抽出した。腹囲は女性80センチ、男性85センチを基準とした。

 初回はメタボリックシンドロームに該当していなかった30〜59歳の男女6104人について、その後メタボになったかどうかを朝食を食べる回数別に分析した。

 1週間の朝食摂取日数により「6〜7日」、「3〜5日」、「2日」、「0〜1日」の4群に分け、その後にメタボリックシンドロームを発症したかどうかを、朝食を食べる回数別に分析した。分析結果を年齢、喫煙有無、食事摂取量、飲酒量で補正した。

 1週間に朝食を食べる回数の頻度の比率は、男性では「6〜7日」が63.0%、「3〜5日」が17.0%、「2日」が6.9%、「0〜1日」が13.0%、女性では「6〜7日」が69.6%、「3〜5日」が18.4%、「2日」が4.1%、「0〜1日」が7.9%だった

 メタボリックシンドローム発症を、「6〜7日」群を基準にして比べたところ、男性では「3〜5日」群が1.43倍(ハザード比 1.43、95%CI 1.05-1.95)、「2日」群が1.89倍(ハザード比 1.89、95%CI 1.27-2.81)という結果になった。女性では「2日」群が4.52倍(ハザード比 4.52、95%CI 1.54-13.3)になった。

 「生活習慣病の代表であるメタボリックシンドロームの発症には、朝食をとったりとらなかったりするといった不規則な食生活が関与しています。朝食をほとんどとらない、つまり乱れがなければメタボ発症に影響を及ぼさないことも示されました」と、和田教授は話す。

 平成21年国民健康・栄養調査結果(厚生労働省)によると、習慣的に朝食をほとんど食べない人は、男性10.7%、女性6.0%。男女とも20歳代(男性21.0%、女性14.3%)、30歳代(男性21.4%、女性10.6%)では比率が高くなっている。

 「近年、夜更かしなどによる生活リズムの乱れから、不規則な朝食習慣が増えています。今回の研究では、朝食摂取の乱れは生活習慣の乱れにつながることが示されました。"朝食を抜くと太る"という通説は必ずしも正しいとはいえず、朝食のカロリー摂取量は、1日の総カロリーの増加に比例しているという研究も発表されています。ただし、子どもでは、朝食の欠食が学力や運動に影響するので、朝食は抜かないでほしい」と、和田教授は強調している。

一般社団法人日本内科学会

© 2014 Soshinsha.
掲載記事・図表の無断転用を禁じます。

「なぜ運動が良いのか」メカニズムを解明 筋肉ホルモンが心臓を保護 2018.10.03
サッカーで糖尿病を予防 サッカーは骨を丈夫にできる最適な運動 2018.10.02
加齢や健康について周囲に話せるシニアは「幸せ度」が高い 意識調査 2018.10.02
乳がんの新たな検査法を開発 マンモグラフィーの欠点を克服 神戸大 2018.10.02
【9/10〜9/16は自殺予防週間】SNS(LINE・チャット)相談できます! 2018.09.13
「ミドリムシ」の成分が血糖値の上昇を抑制 期待できる健康効果 2018.09.13
糖尿病患者さんに向けて「血糖トレンド」啓発キャンペーンを始動 2018.09.06
「コーヒーは健康に良い」は本当か 何杯までなら飲んで良いのか? 2018.08.30
「第4回がん撲滅サミット」を11月18日(日)に東京ビッグサイトで開催 2018.08.30
介護予防に効果がある「百歳体操」の動画 大阪市が吉本興業と共同制作 2018.08.30
簡単な体力テストで糖尿病リスクが判明 握力やバランス感覚が重要 2018.08.24
「社会的な孤立」「閉じこもり」は危険 高齢者の死亡リスクが2倍超に 2018.08.07
「介護離職」が年間に9.9万人 働きながら介護は346万人 「介護離職ゼロ」の目標遠く 2018.08.07
世界の8.5億人が「腎臓病」 腎臓病の恐ろしさを知らない人が大半 2018.07.20
【健やか21】避難所生活で健康に過ごすための注意点(厚労省) 2018.07.20
「入浴」に健康増進のプラス効果 週5回以上の入浴が心血管を保護 2018.07.20
【健やか21】平成30年度 家族や地域の大切さに関する作品コンクール 2018.07.17
「熱中症」と「エコノミークラス症候群」を予防する方法 被災地で緊急課題に 2018.07.17
子育て中の親のスマホ依存が子どもに悪影響 スマホを置いて対話を 2018.07.17
「超加工食品」がメタボ・糖尿病・がんのリスクを高める 保健指導にも影響 2018.06.28
作りおきに「食中毒」リスク 冷蔵庫保管でも「においで判断」はNG 2018.06.28
「笑い」が糖尿病やメタボ、がんを改善 よく笑うと健康効果を得られる 2018.06.06
「ミドリムシ」からメタボを改善する成分 「痩せるホルモン」を促進 2018.06.06
乳がんと大腸がんを尿検査で早期発見 簡便ながん検査を実用化 2018.05.02
糖尿病の発症前に「慢性腎臓病」(CKD)は悪化 検査で早期発見を 2018.05.02
【連載紹介】何をどう食べるか―体験から得た震災時の食の"知恵袋" 2018.05.02
「プロポリス」が認知機能の低下を抑制 7年間の国際研究で判明 2018.04.27
【健やか21】平成30年度「児童虐待防止推進月間」の標語を募集します! 2018.04.27
夏の夜は「心筋梗塞」の増加に注意 季節の日照時間によって発症に差 2018.04.26
糖尿病リスクは「雨」? 久山町研究の成果で「ひさやま元気予報」 2018.04.19
Copyright ©1998-2013 Soshinsha.
掲載記事・図表の無断転用を禁じます。
日本臨床内科医会プロジェクト
大人の健康生活ガイド facebook
更新情報配信中!
あなたの年代の“平均余命”
知っていますか??
お住まいの地域の「健康リスク」
“死因別死亡率”
病気別ガイド - 原因・症状・対策 -
あなたの脳は大丈夫?

第11回 読み書き「難読漢字・花偏」

難読漢字の読みに挑戦する問題です。何故そのような漢字になったのか調べてみるのも脳の活性化につながります。(2013/2/20)

 続きはこちら