食事療法にスマートフォンを活用 ダイエットに成功
2013年4月25日 15:39
 スマートフォンのソフトを活用した新しい食事療法は、従来の患者の自己管理に重点を置いた食事療法よりも、効果的にダイエットを成功に導くことができるという研究が発表された。

 食事管理やフィットネスに役立てられるソフトが増え、スマートフォンを健康管理に役立てようという動きは、ますます盛んになっている。

 いつでもどこでも持ち歩けて、情報の双方向発信の機能が付いたスマートフォンは、情報機器として理想的といえる。

食事内容をスマートフォンでチェック
 英ブルーベリーコンサルタント社が開発した食事管理ソフト「マイ ミール メイト」は、スマートフォンを使い食事の記録をし、カロリーや栄養バランスをチェックし、減量目標の達成度を確認できるソフト。

 ソフトにはメール送信機能が付いており、栄養士に電子メールを送信し、食事療法についてのアドバイスを受けることもできる。栄養士は受信した記録をもとに、患者に適切なアドバイスを送ったり励ますこともできる。

「マイ ミール メイト」の画面
 この研究は、英リーズ大学の研究チームによるもので、国立科学研究所から資金提供を受けて実施された。結果は専門誌「インターネット医学研究ジャーナル」に発表された。

 研究の対象となった128人の参加者は、いずれも過体重や肥満と指摘されており、意欲をもっていても減量になかなか成功できないという悩みをもっていた。

 研究チームは参加者を、スマートフォンのソフトを使うグループ(スマートフォン群)、パソコンのオンラインのソフトを使うグループ(パソコン群)、印刷された食事日記を使うグループ(日記群)に、無作為に振り分けた。

 参加者はいずれも毎日の体重の増減を記録し、スマートフォン群のグループには隔日、パソコン群と日記群は週に1度、それぞれ食事や運動についてのアドバイスを電話や電子メールで受けた。

 6ヵ月後、参加者はいずれも減量に成功したが、開始時からの体重差は、スマートフォン群は4.5kg、パソコン群は1.4kg、日記群は3kgと差が出た。

 食事日記は、毎日の食事のカロリー摂取量を記録し、1日の食事のカロリー配分を適正に調整する手助けになる点で有用であることが確かめられたが、スマートフォンのアプリはそれを上回ることが分かった。

 期間終了後に食事療法プログラムにどれだけ熱心に参加したかを対面して調査したところ、もっもプログラムを遵守していたのはスマートフォン群であることもあきらかになった。

スマートフォンで食品データベースを検索
 「1日当たりどれくらいカロリーを摂取しているのかを正確には把握するのは、ほとんどの人にとっては難しいものです。しかし、スマートフォンを使えば、毎食後にすぐにチェックできるので、より正確さを期待できます」と、リーズ大学のミッシェル カーター氏(食品栄養科学)は指摘する。

 使用したソフトは、主な食品のカロリーと栄養成分を簡単に調べられるだけでなく、英国で利用できる加工食品や外食のメニューの栄養成分表示も検索できるというものだった。使われた食品データベースは、英国国民保健サービス(NHS)のホームページでも閲覧できる。

 「スマートフォンのソフトを使えば、食品売り場やレストラン、カフェテリアで、すぐに食品のカロリーや栄養バランスを確認できます。食事療法の指導を受ける人にとっては、こうした手軽さが、行動変容に結びつきやすいのです。どれだけのカロリーを摂取しているのかが分かるので、指導者にとっても適確なアドバイスが行いやすくなるというメリットがあります」(カーター氏)。

 食事の記録をデータベースに残し、指導を行う医療スタッフと共有できるだけでなく、食事療法に取り組む患者と情報を交換し、互いに励まし合うことも可能だ。

 スマートフォンを健康管理に役立てようという動きは、ダイエットや食事療法だけでなく、運動や身体活動、睡眠など幅広くみられる。肥満や糖尿病、高血圧症、脂質異常症などの、患者の自己管理が大きな比重を占める慢性疾患の治療に活用できるソフトも増えてきた。

 今回の研究に使われたソフトは、糖尿病患者が血糖自己測定で得た血糖値やインスリン投与量を記録できる機能も追加される見込みだという。

Smartphone way to lose weight(リーズ大学 2013年4月15日)

© 2014 Soshinsha.
掲載記事・図表の無断転用を禁じます。

「なぜ運動が良いのか」メカニズムを解明 筋肉ホルモンが心臓を保護 2018.10.03
サッカーで糖尿病を予防 サッカーは骨を丈夫にできる最適な運動 2018.10.02
加齢や健康について周囲に話せるシニアは「幸せ度」が高い 意識調査 2018.10.02
乳がんの新たな検査法を開発 マンモグラフィーの欠点を克服 神戸大 2018.10.02
【9/10〜9/16は自殺予防週間】SNS(LINE・チャット)相談できます! 2018.09.13
「ミドリムシ」の成分が血糖値の上昇を抑制 期待できる健康効果 2018.09.13
糖尿病患者さんに向けて「血糖トレンド」啓発キャンペーンを始動 2018.09.06
「コーヒーは健康に良い」は本当か 何杯までなら飲んで良いのか? 2018.08.30
「第4回がん撲滅サミット」を11月18日(日)に東京ビッグサイトで開催 2018.08.30
介護予防に効果がある「百歳体操」の動画 大阪市が吉本興業と共同制作 2018.08.30
簡単な体力テストで糖尿病リスクが判明 握力やバランス感覚が重要 2018.08.24
「社会的な孤立」「閉じこもり」は危険 高齢者の死亡リスクが2倍超に 2018.08.07
「介護離職」が年間に9.9万人 働きながら介護は346万人 「介護離職ゼロ」の目標遠く 2018.08.07
世界の8.5億人が「腎臓病」 腎臓病の恐ろしさを知らない人が大半 2018.07.20
【健やか21】避難所生活で健康に過ごすための注意点(厚労省) 2018.07.20
「入浴」に健康増進のプラス効果 週5回以上の入浴が心血管を保護 2018.07.20
【健やか21】平成30年度 家族や地域の大切さに関する作品コンクール 2018.07.17
「熱中症」と「エコノミークラス症候群」を予防する方法 被災地で緊急課題に 2018.07.17
子育て中の親のスマホ依存が子どもに悪影響 スマホを置いて対話を 2018.07.17
「超加工食品」がメタボ・糖尿病・がんのリスクを高める 保健指導にも影響 2018.06.28
作りおきに「食中毒」リスク 冷蔵庫保管でも「においで判断」はNG 2018.06.28
「笑い」が糖尿病やメタボ、がんを改善 よく笑うと健康効果を得られる 2018.06.06
「ミドリムシ」からメタボを改善する成分 「痩せるホルモン」を促進 2018.06.06
乳がんと大腸がんを尿検査で早期発見 簡便ながん検査を実用化 2018.05.02
糖尿病の発症前に「慢性腎臓病」(CKD)は悪化 検査で早期発見を 2018.05.02
【連載紹介】何をどう食べるか―体験から得た震災時の食の"知恵袋" 2018.05.02
「プロポリス」が認知機能の低下を抑制 7年間の国際研究で判明 2018.04.27
【健やか21】平成30年度「児童虐待防止推進月間」の標語を募集します! 2018.04.27
夏の夜は「心筋梗塞」の増加に注意 季節の日照時間によって発症に差 2018.04.26
糖尿病リスクは「雨」? 久山町研究の成果で「ひさやま元気予報」 2018.04.19
Copyright ©1998-2013 Soshinsha.
掲載記事・図表の無断転用を禁じます。
日本臨床内科医会プロジェクト
大人の健康生活ガイド facebook
更新情報配信中!
あなたの年代の“平均余命”
知っていますか??
お住まいの地域の「健康リスク」
“死因別死亡率”
病気別ガイド - 原因・症状・対策 -
あなたの脳は大丈夫?

第11回 読み書き「難読漢字・花偏」

難読漢字の読みに挑戦する問題です。何故そのような漢字になったのか調べてみるのも脳の活性化につながります。(2013/2/20)

 続きはこちら