PM2.5による大気汚染が動脈硬化の原因に
2013年5月 9日 17:59
 大気汚染に長期間さらされていると、アテローム性動脈硬化症の進行が早まり、心臓発作や脳卒中のリスクが高まる可能性がある。米ミシガン大学公衆衛生学部の研究者らが発表した。

 アテローム性動脈硬化症とは動脈硬化の一種で、高血圧や高血糖などの理由により血管内膜が傷つき、その隙間から血管内膜の下に入り込んだコレステロールが蓄積しアテローム状(粥状の塊)になり、血管のしなやかさが失った状態になることだと考えられている。

 アテローム性動脈硬化症は、初期の段階では自覚症状はないが、脳梗塞、心筋梗塞などの深刻な病気の原因となる。

 研究者らは、高濃度の微小粒子状物質(PM2.5)に長時間さらされた住民で、頭・首・脳に血液を供給する重要な血管である総頸動脈の2つの内層が早く肥厚することを発見した。逆に、時間の経過とともに微粒子大気汚染が減少すると、血管の肥厚化の進行は遅くなるという。

 血管の厚さは、アテローム性動脈硬化症が全身の動脈内にどの程度あるかを示すもので、心筋梗塞などの症状がない人にでも早期発見に使える指標となる。

 研究では、アテローム性動脈硬化症と大気汚染の関連を調べる研究の一環として、米国の6大都市圏から参加した45才から84才からなる5,362名の参加者を追跡した。3年間の追跡結果から、研究者は、推定された参加者の家の大気汚染レベルと2回の超音波測定に関連があることを発見した。

 喫煙などの要因の影響を取り除いて調整した後、頸動脈血管の厚さは平均して毎年14μm増加していることが判明した。住宅の微粒子大気汚染が高いレベルに曝されている人々の血管は、同じ都市に住んでいる人よりも早く肥厚していた。

 「調査結果は、大気汚染への曝露が心臓発作や脳卒中の増加を引き起こす可能性があることを理解する手助けとなります」と、ミシガン大学公衆衛生学部のサラ アダル氏は述べている。

 「同じ都市に住んでいても、汚染が進んでいる地域に住んでいる人は、汚染が少ない地域に住んでいる人と比べ、脳卒中のリスクが2%高くなることが示唆されています。この調査を今後も続けて、10年間追跡した結果を分析して確認できれば、研究結果は長期的なPM2.5濃度と臨床心血管イベントとの関連を説明するのに役立つでしょう」と、アダル助教授は述べている。

 動脈硬化の原因として挙げられるのは生活習慣やストレスが挙げられ、高血圧、高脂血症、糖尿病などを発症している場合には、その治療も必要と考えられている。これに、深刻な影響をもたらす要因として大気汚染が加えられる可能性がある。

Air pollution linked to hardening of the arteries(ミシガン大学 2013年4月24日)

© 2014 Soshinsha.
掲載記事・図表の無断転用を禁じます。

「なぜ運動が良いのか」メカニズムを解明 筋肉ホルモンが心臓を保護 2018.10.03
サッカーで糖尿病を予防 サッカーは骨を丈夫にできる最適な運動 2018.10.02
加齢や健康について周囲に話せるシニアは「幸せ度」が高い 意識調査 2018.10.02
乳がんの新たな検査法を開発 マンモグラフィーの欠点を克服 神戸大 2018.10.02
【9/10〜9/16は自殺予防週間】SNS(LINE・チャット)相談できます! 2018.09.13
「ミドリムシ」の成分が血糖値の上昇を抑制 期待できる健康効果 2018.09.13
糖尿病患者さんに向けて「血糖トレンド」啓発キャンペーンを始動 2018.09.06
「コーヒーは健康に良い」は本当か 何杯までなら飲んで良いのか? 2018.08.30
「第4回がん撲滅サミット」を11月18日(日)に東京ビッグサイトで開催 2018.08.30
介護予防に効果がある「百歳体操」の動画 大阪市が吉本興業と共同制作 2018.08.30
簡単な体力テストで糖尿病リスクが判明 握力やバランス感覚が重要 2018.08.24
「社会的な孤立」「閉じこもり」は危険 高齢者の死亡リスクが2倍超に 2018.08.07
「介護離職」が年間に9.9万人 働きながら介護は346万人 「介護離職ゼロ」の目標遠く 2018.08.07
世界の8.5億人が「腎臓病」 腎臓病の恐ろしさを知らない人が大半 2018.07.20
【健やか21】避難所生活で健康に過ごすための注意点(厚労省) 2018.07.20
「入浴」に健康増進のプラス効果 週5回以上の入浴が心血管を保護 2018.07.20
【健やか21】平成30年度 家族や地域の大切さに関する作品コンクール 2018.07.17
「熱中症」と「エコノミークラス症候群」を予防する方法 被災地で緊急課題に 2018.07.17
子育て中の親のスマホ依存が子どもに悪影響 スマホを置いて対話を 2018.07.17
「超加工食品」がメタボ・糖尿病・がんのリスクを高める 保健指導にも影響 2018.06.28
作りおきに「食中毒」リスク 冷蔵庫保管でも「においで判断」はNG 2018.06.28
「笑い」が糖尿病やメタボ、がんを改善 よく笑うと健康効果を得られる 2018.06.06
「ミドリムシ」からメタボを改善する成分 「痩せるホルモン」を促進 2018.06.06
乳がんと大腸がんを尿検査で早期発見 簡便ながん検査を実用化 2018.05.02
糖尿病の発症前に「慢性腎臓病」(CKD)は悪化 検査で早期発見を 2018.05.02
【連載紹介】何をどう食べるか―体験から得た震災時の食の"知恵袋" 2018.05.02
「プロポリス」が認知機能の低下を抑制 7年間の国際研究で判明 2018.04.27
【健やか21】平成30年度「児童虐待防止推進月間」の標語を募集します! 2018.04.27
夏の夜は「心筋梗塞」の増加に注意 季節の日照時間によって発症に差 2018.04.26
糖尿病リスクは「雨」? 久山町研究の成果で「ひさやま元気予報」 2018.04.19
Copyright ©1998-2013 Soshinsha.
掲載記事・図表の無断転用を禁じます。
日本臨床内科医会プロジェクト
大人の健康生活ガイド facebook
更新情報配信中!
あなたの年代の“平均余命”
知っていますか??
お住まいの地域の「健康リスク」
“死因別死亡率”
病気別ガイド - 原因・症状・対策 -
あなたの脳は大丈夫?

第11回 読み書き「難読漢字・花偏」

難読漢字の読みに挑戦する問題です。何故そのような漢字になったのか調べてみるのも脳の活性化につながります。(2013/2/20)

 続きはこちら