高齢者のヘルスリテラシーを向上する方法 社会参加や文化活動が効果的
2015年2月 2日 11:10
 高齢者のインターネットの利用や、文化活動などの社会参加を促すことで、健康の自己管理に必要な「ヘルスリテラシー」を向上できることが明らかになった。
高齢者のヘルスリテラシーの向上に必要な4つの要因
 米国立医学ライブラリーの定義によると、「ヘルスリテラシー」とは、健康情報を獲得し、理解し、利用して、日常生活におけるヘルスケア(医療)に役立てられ、生涯を通じて生活の質を維持・向上できる能力を指す。

 高齢者ではヘルスリテラシーが低いと、日常生活におけるヘルスケア(医療)や慢性疾患の自己管理が悪くなり、疾病予防のレベルが低い傾向がある。また、救急車の要請回数が増え、死亡リスクが高いという報告もある。

 高齢者のヘルスリテラシーが低下する要因として、加齢にともない能動的な学習能力が低下し、情報を評価して判断する認知能力が低下することが挙げられている。

 ヘルスリテラシーの能力を維持する上で、日常的なインターネットの利用や、文化的活動や市民活動への参加、余暇活動の過ごし方などがどのように影響しているかを、英国のユニヴァーシティ カレッジ ロンドンの研究チームが調査した。

 研究の対象となったのは、「英国高齢化長期研究」(ELSA)に参加している52歳以上の男女4,368人。2004〜2011年にインターネットの利用と市民活動、文化活動、余暇活動などについて2年ごとに調査し、ヘルスリテラシーについては2004〜2005年と2010〜2011年に健康情報の読解力テストを行った。

 参加者の39%は、映画館や劇場に行く習慣があり、演劇やコンサート、オペラ、ギャラリーでのアートの展示にふれるなどの文化的な活動を日常的に行っていた。35%は市民活動に参加しており、31%が余暇活動をしていた。一方、40%はインターネットを日常的に利用する習慣をもたず、32%はたまにしか使っていなかった。

インターネット利用と社会参加がヘルスリテラシーを引き上げる
 調査開始持には73%の人が十分なヘルスリテラシーをもっていたが、6年後にスコアを1ポイント以上落とした人が19%みられた。ヘルスリテラシーが低下した人は、▽インターネットの利用、▽市民活動、▽余暇活動、▽文化活動のレベルが低い傾向があり、特にインターネットの利用と文化活動はリテラシーの低下に強く関連していることが示された。

 これらの4つの要因は互いに影響しおり、全てを満たしている人では、ヘルスリテラシーの低下が低く抑えられていることが明らかになった。一般に加齢に伴い認知能力は低下していくが、4つの要因はそれとは独立して影響することが示された。

 「高齢者にとってインターネット利用とさまざまな社会活動、特に文化的な活動に参加することは、健康管理に必要なヘルスリテラシーを維持するのに効果的であることが示されました。ヘルスリテラシーのスキルは加齢とともに失われていきますが、インターネットや社会参加によりそれを抑えることができる可能性があります」と研究者は述べている。

 「インターネットの利用と社会活動への参加に加えて、たとえば映画館や劇場、ギャラリー、博物館に行くといった文化的な活動に参加することが、高齢者のヘルスリテラシーの向上につながります」と指摘している。

Maintaining health literacy through being web-savvy and culturally engaged(PLOS 2014年12月1日)
Internet use, social engagement and health literacy decline during ageing in a longitudinal cohort of older English adults

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