米国初の「ソーダ税」を導入 肥満や糖尿病を防いで医療費を抑制
2015年2月16日 10:28
 米カリフォルニア州バークリー市は1月より、炭酸飲料など糖分入りの飲料に課税する「ソーダ税」の導入をはじめた。肥満や2型糖尿病を防いで医療費を抑制するのが狙いだが、米国の食文化の新しい流れを先導しようという意気込みもあるようだ。
ソーダ税の導入で肥満が減れば医療費を削減できる
 バークリー市のソーダ税は、糖分を加えた高カロリーの清涼飲料に、レジで計算して徴収する。税率は糖分入り飲料1オンスあたり1セント。日本なら350mLの缶入りで10円以上の負担になる計算だ。

 「高カロリーの清涼飲料の消費が減って健康な人が増えれば、医療費は削減でき、生産性も高まる。経済成長にも効果的な税だ」と、住民投票で75%の賛成で可決された。年間100万ドル(約1億1,900万円)以上の税収が見込まれるという。

 米国では肥満と過体重が爆発的に増えており、米国の成人の3分の2、子供の3分の1が該当する。ハーバード大学公衆衛生大学院の研究者によると、高カロリーの清涼飲料の飲み過ぎが肥満の増加に影響しており、特に高カロリーで安価の果糖(コーンシロップ)の普及が大きく関わっているという。

 米国全国健康・栄養調査(NHANES)のデータべースによると、米国人は平均して1日に、男性は335kcal、女性は239kcalの糖分を摂取している。これは、砂糖小さじ約20杯に相当し、米国心臓学会(ADA)が推奨する量に比べ男性では2倍以上、女性では3倍以上多いという。

 ソーダ税の構想は米国の多くの都市で検討されてきたが、飲料業界が激しいネガティブ・キャンペーンを展開し頓挫してきた。ニューヨーク市でもソーダ税が検討されたが、ニューヨーク州の裁判所が「仕組みに一貫性がない」などとして施行を差し止めたという背景がある。

 しかしバークレー市は全米でも健康志向が強い地域であり、業界団体のキャンペーンへの反感も影響し、ソーダ税導入が決まったという。バークリー市は米国でのソーダ税のはじめての成功例となった。

 バークレー市は全米でもいち早く禁煙指導を普及させた実績をもつ。公共の場での禁煙を義務づけており、歩道などでの喫煙に対し罰金をはじめて設け、禁煙を促進してきた。今回のソーダ税でも、米国の公衆衛生の政策における先駆けとなるという見方が米国で広がっている。

 一方、「米国は自由の国なはずなのに」とのぼやきも聞かれる。業界団体の米飲料協会(ABA)も、清涼飲料へのカロリー表示の徹底、学校の売店からの撤去に加え、高カロリー飲料の消費を2割削減する目標を掲げるなど対策しており、「ソーダ税よりはるかに効果のある取り組みをしてきた」と反対を表明している。

City of Berkeley Sugary Beverages and Soda Tax Question, Measure D(Ballotpedia 2014年11月28日)
Consumption of Added Sugars Among U.S. Adults, 2005-2010(米国疾病予防管理センター 2013年5月1日)

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