デング熱の感染は今夏以降も続く 東京都が対策を緊急提案
2015年2月23日 16:59
 昨年の夏にデング熱の国内感染が相次いだことを受け、「東京都蚊媒介感染症対策会議」は今年以降の感染対策をまとめた報告書を公表した。

 デング熱は8月、69年ぶりに都立代々木公園で日本国内での感染が確認され、感染者は10月末までに全国で160人に達した。

 報告書では、都蚊媒介感染症対策会議が2020年の夏季に開催される東京オリンピック・パラリンピックを見据え、デングウイルスを媒介する蚊の発生を抑えたり、早期に診断する体制を整備したりすることの重要性を強調した。

デング熱の国内感染は今後も続くと予想
 「2015年以降も蚊の発生シーズンにデング熱等の国内感染患者が発生する可能性は否定できない」と、報告書では国内患者の再発生に懸念を示している。

 「今後はグローバル化が進み、海外との人の往来が増える中、海外で流行する感染症が日本に持ち込まれることが避けられない」として、早期診断体制の整備や国内感染患者発生時に感染拡大を防止する必要性を示した。

 報告書は発生状況に応じた対策を明記。人と蚊の両方がかかわる蚊媒介感染症の特徴をふまえ、感染症の発生リスクの高い場所に重点的に対策を実施する必要性を指摘。

 具体的に、緊急提案は下記の点を強調し、国が早急に取り組むように要望した――

● 発生段階(フェーズ)の設定
 新型インフルエンザ対策のように発生段階(フェーズ)を設定し、「患者未発生時」や「患者発生時」、「アウトブレイク時」といった段階ごとに対応・対策を想定することを提案。

● ウイルス遺伝子解析検査の整備
 全国で統一したウイルス遺伝子解析検査が行えるようにマニュアルを策定する。

● 保険診療の拡充
 医療機関でデング熱の検査・診断を行うため、迅速診断キットを承認・保険適用する。

● 蚊を効果的に駆除する方法を開発
 予防ワクチンや蚊の駆除の効果的な実施方法などの研究開発の促進する。

● 環境影響調査の実施
 薬剤散布の生体系への影響調査の実施する。

流行時には迅速な情報共有が急務に
 このうち、デング熱の迅速診断キットについては、流通量が少なく、多くの患者を検査できる体制とはなっていない点を指摘。

 さらに、現在の診療報酬点数表にはデング熱の検査の項目がなく、「次の蚊のシーズンまでに保険などによる検査を実施可能な体制整備が間に合わない可能性もある」と懸念している。

 保険適用となるまでに「専門医療機関での迅速診断キットによる検査体制について都として検討すべき」とした。

 患者が出た後は、蚊の駆除や患者の早期発見による封じ込めを急ぐ。流行時には情報提供による注意喚起を求めた。

 デング熱の診断を行った医療機関から届出を受理した保健所、患者の所在地を管轄する保健所、推定感染地などの公園を管轄する保健所など、「複数の保健所・自治体間での迅速な情報提供や緊密な情報共有が必要」とした。

東京都蚊媒介感染症対策会議報告書について(東京都 2014年12月24日)

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