楽天的な人の方が健康的に生きられる プラス思考は心臓に良い
2015年3月 2日 13:43
 「病は気から」というが、気持ちの持ちようが健康面に影響するようだ。米イリノイ大学の研究で、楽観的な人は悲観的な人より心臓が健康的であることが分かった。
メンタル面のコントロールが健康に影響
 研究チームは、米国の6つの地域に住む45〜84歳の男女5,100人の11年分のデータを解析した。メンタル面での傾向(楽観的なのか悲観的なのか)を調べた。

 さらに、米国心臓学会が提唱する7項目の健康尺度である「ライフ シンプル セブン」をもとに、血圧値・体格指数(BMI)・空腹時血糖値・血中コレステロール値・食事内容・運動量・喫煙習慣について調査した。

 その結果、楽観的な人は悲観的な人に比べ、血圧や血糖値、コレステロール値、BMIなどが良好で、喫煙率が低い傾向があることが示された。これらの値が正常ということは、心臓病など循環器系疾患リスクが低いことを示す。

 もっとも楽観度が高いグループは、もっとも悲観的なグループに比べ、総合健康スコアが「正常」である割合が2倍に上昇した。

 運動は健康状態を改善するとともに、楽観的な気分を高める効果がある。運動を行うことで、メンタル面での向上もはかれ、相乗的な効果を期待できる。

 うつ状態、怒り、不安、敵意、ストレスのようなネガティブな精神状態が、心臓と血管の健康に有害であることは、多くの研究で示されている。

 デンマークで行われた虚血性心疾患のある患者600人を対象に行った調査でも、楽観的な患者はそうでない患者よりもよく運動しており、追跡期間中に死亡リスクが42%低下したことが明らかになった。

 「血圧値やコレステロール値、血糖値が高く、BMIの高い肥満の人は、心臓病を発症する危険性が高い。今回の研究結果は、これらの数値の改善に加えてメンタル面でアプローチすることが健康増進に役立つことを示唆しています」と、イリノイ大学のロザルバ ヘルナンデス教授は言う。

 研究者は保健指導を行うときに、運動習慣の指導に含めて、生活に対して楽観的であるかを聞くことの重要性も指摘している。

心臓病を予防するための「ライフ シンプル セブン」
 米国心臓学会が提唱する「ライフ シンプル セブン」では、心臓病や脳卒中を予防するのに効果的な7つの生活スタイルをアドバイスしている。下記の指標を14点満点で採点し、点数が1点増えると心臓病や脳卒中のリスクが8%減少するという調査結果がある。

(1) 血圧をコントロールする
 高血圧は自覚症状が乏しいので、自分が高血圧だと気づいていない人も多くいる。40歳以上の男性の6割以上が高血圧で、一生のうちに9割の人が血圧が高くなるという調査結果がある。家庭用血圧計を使い、朝と夜寝る前に血圧を測ってみよう。
 健康な体重を維持すること、塩分の摂取量を減らすこと、医師に処方してもらった薬をきちんと飲むことが大切だ。

(2) 標準体重を維持する
 脂肪が一定以上に多くなり、心臓の負担が増えている状態が肥満。肥満に脂質異常や、高血圧、高血糖などが重なると、心臓の負担はさらに増える。体重を落としただけでも、これらの検査値は改善する。
 1日の食事で必要なカロリーを確かめて、それを超えて食べ過ぎないようにし、有酸素運動を習慣として行えば、体重を減らすことができる。

(3) 血糖値を下げる
 糖尿病のある人では、心臓病や脳卒中の危険性が4倍以上に高まる。血糖値をコントロールすれば、これらの合併症を防ぐことができる。糖尿病は食事や運動の影響を受けやすい病気だ。生活習慣を少しずつでも改善していき、医師から処方された薬をしっかり飲むことで糖尿病を改善できる。

(4) コレステロールを管理する
 コレステロールの異常は、死因の上位を占める狭心症や心筋梗塞などの心臓病や、脳出血や脳梗塞などの脳卒中の原因になる。
 コレステロールには悪玉のLDLコレステロールと、善玉のHDLコレステロールがある。コレステロール値によっては、薬物療法が必要になる。コレステロール値が気になるときは、医師に相談しよう。
 運動を習慣化し、赤身肉などの動物性の食品を控え、低脂肪の乳製品や植物油を選び、食生活を改善すれば、コレステロール値を改善できる。

(5) 健康的な食事
 健康的な食事が、体重や血圧値、血糖値、コレステロール値を改善する。低カロリーであれば体に良いと思い込んでいる人が多くいるが、必要な栄養素はしっかりととることが大切だ。
 そのために、1日3食をしっかりと食べ、お皿の半分に野菜や果物、大豆など豆類をのせることが勧められる。野菜を1日に4皿以上、魚を週に2回以上食べるのが目標だ。
 ごはんやパンは玄米や全粒粉を選べば、食物繊維の摂取量を増やせ、体重コントロールにも役立つ。塩分は1日3gに抑えるのが理想的だが、それが無理な場合は6g以下を目指そう。

(6) 運動をする
 運動をすれば、血圧値・血糖値が下がり、善玉のHDLコレステロールが増える。骨粗しょう症の予防にもなり、ストレス解消にもつながり夜は良く眠れるようになる。
 健康のための運動を、週に2.5時間行うのが目標。1日20分のウォーキングを毎日続ければ、合計すれば週に2時間以上になる。

(7) たばこを吸わない
 たばこを吸う人は禁煙することが、心臓病や脳卒中だけでなく、がんや、慢性肺疾患、呼吸器疾患などの予防につながる。禁煙のもたらすメリットは明らかなので、考えている余地はない。いますぐ禁煙しよう。そうすれば、数年で心臓病の発症リスクを、非喫煙者と同程度に下げることができる。

Optimistic people have healthier hearts, study finds(イリノイ大学 2015年1月8日)
My Life Check-Life's Simple 7(米国心臓学会)

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